平成22年度の我が国経済は、前半において世界経済の回復を受け、景気が持ち直す展開も見られ
たが、後半は円高や海外経済の減速の影響に加え、エコカー補助金や家電エコポイントなどの期限
切れで景気の停滞感が強まった。
長野県経済の動向も、前半は国内外の経済対策の効果や海外需要の増加に伴い、製造業を中心に
総じて持ち直しの動きがみられたが、後半は、円高継続に伴う先行き不安や経済対策効果の減少、
海外景気の下振れ懸念などを背景に増勢の鈍化がみられる展開となった。
平成23年度の経済見通しは、東日本大震災の影響により、当面、生産面を中心に下押し圧力が強
い状態が続くものの、政府、民間における復旧・復興に向けた取組みが進み、供給面での制約が和
らいでいくにつれて、穏やかな回復経路に復していくとみられている。
こうした中でトラック運送業界は、軽油価格が高値水準で推移するなかで輸送量の回復もままな
らず、競争激化による運賃の低迷や安全・環境へのコスト増等が相まって、多くの事業者は疲弊し、
深刻な経営危機に直面している。
このような厳しい経営環境下にあっても、トラック運送事業の社会的地位の工場を図り、魅力あ
る産業として確立するため、国民生活や産業活動のライフラインであることを自覚し、再生産可能
な適正運賃の確保に引き続き取り組むとともに、社会的要請である安全・事故防止対策や環境対策、
法令遵守等山積する諸課題に積極的に取り組み、安全・安心な輸送サービスを提供していかなけれ
ばならない。
これらの諸課題に対処するため、全日本トラック協会と連携し、公正な競争を実現するための輸送
秩序の確立、規制緩和の見直し、自動車関連諸税の軽減、高速道路通行料金の引き下げ等について、
関係機関に適切な施策の推進を求めるとともに、会員事業者の負担軽減を図るため、各種助成措置
を本年度も継続するほか、新たな助成措置の導入を調査検討し、支援体制をより一層強化すること
とする。
特に、長野県が実施した信州型事業仕分けで指摘された運輸事業振興助成補助金事業の透明性の
確保に鋭意努めるとともに、当協会の組織強化を図り公益法人としての役割を果たすために、支部
の設置と協会未加入者の加入促進等に積極的に取り組むこととする。
併せて、協会事業を充実させ、会員の付託に応える政策を推進するとともに、社会との共生と業
界の活性化に向けて、下記事項を重点に諸活動を推進する。
[事業項目]
- 安全かつ、環境にやさしいトラック輸送の推進
- 新しい時代に対応し、魅力ある事業の確立、社会的地位向上のための施策の推進
- 輸送秩序確立対策の推進
- 補助事業の取り組み
- 適正化事業の推進
- 労働対策の推進
- 規制・税制に関する要望等の展開
- 広報活動の推進
- 組織強化への取り組み
[事業内容]
- 安全かつ、環境にやさしいトラック輸送の推進
(1) 交通安全対策
- 運送安全マネジメントの積極的な導入促進、飲酒運転撲滅等トラック事業における総合安全プラン2009に基づく対策を推進する。
- 交通事故防止を図るため、制限速度の厳守、過積載及び過労運転防止の徹底、車両点検整備の励行等の交通安全対策を推進する。
- 「正しい運転・明るい輸送運動」の実施、「プロドライバー事故防止コンクール」の実施、交通安全運動への積極的参加等により事故防止意識の高揚と輸送の安全確保に努める。
- 安全意識ならびに運転技術向上を図ることを目的にトラックドライバー・コンテストを記載する。
- 陸上貨物運送事業労働災害防止協会長野県支部、長野県トラック交通共済協同組合との連携を強化し、講習会を開催する等交通事故防止、労災事故防止対策を推進する。
(2) 環境対策
- 業界の指針となる「環境基本行動計画」を推進し、環境保全とトラック運送業界の持続的発展を図る。
- 黒煙クリーンキャンペーンを推進するための広報活動を行うとともに、路上指導等を行う。
- 環境に配慮した経営を確保するため、グリーン経営認証制度等の普及を図る。
- 排出ガスの削減等環境対策に資するとともに、コスト削減、安全運転の実効をあげるため、省エネ安全運転研修会を開催する。
- 新しい時代に対応し、魅力ある事業の確立、社会的地位向上のための施策の推進
- 貨物自動車運送事業安全性評価事業制度(Gマーク)の一層の普及を図る。
- 環境問題物流ニーズの高度化・多様化に対応した活力ある事業活動に資するための各種調査を実施し、的確な情報の提供を行う。
- 健全な事業運営を確保するため、適正かつ迅速な行政対応の要請を行う。
- 輸送効率化対策、物流情報化の進展に鑑み、事業協同組合、協同組合連合会と連携し、情報関係研修会を推進する。
- 災害に対する救援物資の緊急輸送体制を確立し、トラック事業の社会的責任を果たす。
- 長野県防災訓練に参加し、資質の向上を図る。
- 次代を担う後継者の育成対策として青年部の充実を図り、その活動を積極的に支援する。
- 各種研修センター、中小企業大学校の講座受講等、研修助成事業を推進する。
- 中小企業経営革新法の活用等について周知を図る。
- 引越管理者の資格取得講習の普及を推進する。
- 中小企業の経営革新に資する情報の提供を行い、事業経営の健全化と基盤強化対策を推進する。
- 輸送秩序確立対策の推進
- 公正な事業活動を確保するため、名義貸し、白トラ等の輸送秩序を阻害する行為の防止対策を積極的に推進するとともに、関係行政機関との連携を一層密にして違法行為の排除に努める。
- 関係行政機関との連携を密にし、重大事故を誘発する過労運転、過積載運行、名義貸行為の防止等輸送秩序の確立に努める。
- 再生産可能な適正運賃収受に向けた荷主えの理解促進を図る。
- 燃料サーチャージ制の一層の普及定着を図るとともに、燃料サーチャージガイドライン、下請・荷主適正取引推進ガイドラインについて積極的な活用を図る。
- 補助事業の取り組み
事故防止を図るため、ドライブレコーダーの導入を最重点に取り組む。
- 近代化基金融資の利子補給助成
- 信用保証協会保証料の助成
- 大型・中型等免許取得促進助成
- 運行管理者講習受講助成
- 整備管理者研修受講助成
- 運転者適性診断費の助成
- 運転記録証明書(SDカード)取得助成
- 睡眠時無呼吸症候群スクリーニング検査助成
- アイドリング・ストップ支援機器導入促進助成
- エコドライブ管理システム(EMS)機器導入促進助成
- ドライブレコーダー機器導入促進助成
- 衝突被害軽減ブレーキ装置導入促進助成
- 安全装置等導入推促進助成
- フォークリフト運転技能講習の助成等新たな助成措置導入を調査検討する。
- 適正化事業の推進
- 適正化事業の中立性と透明性の確立を推進するため、外部委員による適正化事業実施機関評議委員会を開催する。
- 社会保険、労災保険等未加入事業者に対する法的義務や行政処分とについて周知徹底し、適正加入指導を強力に推進する。
- 適正化実施機関としての業務の効率化を図るとともに、研修を通じて資質の向上を推進し、指導業務の充実を図る。
- 運輸安全マネジメント導入の積極的な推進と法令厳守の徹底を図る。
- 苦情処理については、適正且つ迅速に対応する。
- 労働対策の推進
- 労働基準法、改善基準告示等労働関係法令等の周知を図るとともに、さらなる労働時間の短縮に向けて荷主対策のPR等を実施する。
- 労災保険収支の改善、労災事故の撲滅に向けて、広報啓発活動等を展開する。
- 労働基準法、労働者派遣法及び最低賃金の見直しについては、行政機関への要望活動等適切に対応する。
- 大型運転免許保有者の確保及び若年労働者の採用等少子化高齢化に対応した労働力の確保対策を推進する。
- 当面する労働諸問題について、物流政策懇談会を開催し、行政、労働組合との意見交換を行う。
- 規制・税制に関する要望等の展開
- 自動車関係諸税の簡素化・軽減について要望・陳情活動を展開する。
- 高速道路通行料金の大幅な引き下げ、営業車を対象とした割引制度の導入等について要望する。
- 環境税等新税導入に断固反対の運動を展開する。
- 運輸事業振興助成交付金の継続及び法制化についての運動を展開する。
- 物流の効率化、輸送コストの軽減を図るため、軸重・車高規制などの車両諸元の緩和、高速道路の最高速度規制の緩和等の運動を更に強く展開する。
- 公正な競争が可能となるよう、行き過ぎた規制緩和の見直しの要望活動を展開する。
- 広報活動の推進
- トラック輸送について正しい理解の促進を図り、トラック運送事業の会社的地位の向上に資するため、各地域において地域密着型の「トラックの日」のイベントを開催するとともに、報道機関を活用した広報活動を推進する。
- 協会ホームページの充実を図り、協会活動のPRと会員の利便に資する。
- 良質な輸送サービスを提供すためには、再生産可能な適正運賃・料金の収受が不可欠であり、荷主企業・一般消費者に対し理解を得るため適正運賃収受運動等の広報活動を展開する。
- 荷主ニーズの把握と意見交換等の意思疎通を図るため、荷主セミナーを開催する。
- 厳しい環境に置かれている事業者のニーズに的確に対応するとともに、事業運営に役立つ情報のより早い提供を図る。
- 消費者等のニーズを把握し、適切な対応を図るため、関係行政機関、消費者センター等との連携強化を推進する。
- 社会に貢献する広報活動のあり方についての検討を行う。
- 組織強化への取り組み
- 協会の組織強化を図るため支部を設置し、地域に密着した事業の展開を図る。
- 各地区輸送協議会(各地区トラック協会)とは引き続き連携・協調して円滑な協会活動に取り組む。
- 協会活動を活性化するため、会員の積極的な参加を求める活動を推進するとともに、広く未加入事業者の協会加入促進を図り、組織力の強化を図る。
- 陸上貨物運送事業労働災害防止協会長野県支部、長野県トラック交通共済協同組合と連携して、協会事業の効率化を推進し、関係団体と共々、事業の発展を図り会員事業者の利便に供する。
- 適正化実施機関の独立性を確保するため、事務局組織の見直しの検討を行う。
- 公益法人制度の改革、公益認定法人移行への対応を推進する。
- 長野県トラック会館、中信地区研修会館、上小トラック研修会館、諏訪トラック研修会館、下伊那トラック研修会館、佐久地区トラック研修会館の活用を図り会員の利便に供する。
- 上小地区・諏訪地区から取得要請があった地元組合保有の研修会館及びその用地を、関係行政機関の承認を得て取得する。
- 研修会館未整備地区についても引き続き整備を検討する。
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